Jul 01, 2009
奇想の王国 だまし絵展
6月30日、天気予報は当らず(^^)。雨は出掛ける時間には止んで、帰宅時間寸前で降っただけでした。心がけのよいわたくしです。季節のせいではないにしても、鬱状態でどこかへ出掛けたかったのでした。それならおもしろい美術展へ、ということになって、澁谷Bunkamura ザ・ミュージアムに行きました。とりあえず、1番好きだったのは、ヤーコブ・マーレルの「花瓶の花」です。この美しい花瓶に写っているのは、絵を描いている画家なのです。
目玉の展示作品は、初来日のスウェーデンのジョゼッペ・アルチンボルドの「ルドルフ2世」だそうです。63種の野菜、果物、花、木の実などで構成された王様のお顔です。さぞや王様はお怒りになったのではないか?と思うのですが、意外や王様は大喜びだったそうです。
17世紀、静物画におけるオランダの画家の優れた細密描写の究極の遊びと言えばいいのか?「トロンプルイユ・目だまし」と呼ばれる絵画の系譜が確立し、やがてアメリカにも広がっていきました。そして、ダリ、マグリット、それからエッシャーへ。。。
日本でも「だまし絵」は特に幕末から明治の高名な画家が、まるで座興のように描いたものがあります。お化けの掛け軸、影絵遊び、歌川国芳の「みかけはこはゐがとんだいゝ人だ」などが代表的でしょうか。
さらに時代は新しくなって、多様なイリュージョニズムの時代に入ります。これは最も新しい絵ではなくて写真です。本城直季の「small planet」シリーズの1つです。高所から街の風景を撮っていますが、それがまるでフィギアのように見える写真となっています。わたくしたちが歩いた澁谷の駅付近のようです。
138点の作品ですが、このような絵画はどうしても1枚毎に立ち止まってしまいます。観終わって時計をみたら2時間以上絵画とにらめっこしていたのでした。お疲れさまでしたが、なんとも楽しい時間ではありました。ただし「トロンプルイユ・目だまし」だけでよかったような気もします。ダリ、マグリット、エッシャーなどは個別に美術展を観ていますし、日本の「だまし絵」との同居も(テーマは似ているかもしれませんが。)ちょっと不自然でした。
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