Feb 27, 2009
生活と芸術―アーツ&クラフツ展
東京都美術館にて、観てまいりました。ロンドンのヴィクトリア&アルバート美術館との共同企画で約280点が展示されていました。
19世紀後半にイギリスの「国策」という背景をもったデザイン運動「アーツ&クラフツ運動(美術工芸運動)」は、ウィリアム・モリスを中心とするイギリスのウィーン工房からヨーロッパへ、そして日本での民芸運動にまで影響を与えました。
ウィリアム・モリス(William Morris, 1834年~1896年)は19世紀イギリスの詩人、デザイナー、マルクス主義者。「モダンデザインの父」と呼ばれている。
ヴィクトリア朝の時代、産業革命の結果として大量生産による安価で粗悪な商品があふれていました。モリスはこうした状況に対して、中世の手仕事に帰り、生活と芸術を統一することを主張した。モリス商会を設立し、装飾された書籍(ケルムスコット・プレス)やインテリア製品(壁紙、ファブリック、テーブルウェア、家具、食器、カーテン、タピストリー)、ステンドグラス、さらに服飾、封筒&葉書、ポスターにまで及ぶ広範囲な製作をしました。
しかし、庶民のわたくしが思うに、モリスの運動は結局高価な製品を作ることになって、裕福な階層にしか使えなかったのではないか?と思う。生活と芸術を一致させようとしたモリスの思想は各国にも大きな刺激を与え、アール・ヌーヴォー、ウィーン分離派、ユーゲント・シュティールなど各国の美術運動にその影響が見られるということではありますが。。。
また日本の柳宗悦もモリスの運動に共感を寄せ、1929年、かつてモリスが活動していたケルムスコットを訪れたということではあるが、モリスの影響をどのように受けたのかは作品からはよくわからない。柳宗悦はトルストイの近代芸術批判の影響も受けているらしい。ますますわからないなぁ(^^)。
柳宗悦らが昭和初期に建てた「三国荘」の再現展示が目玉のようです。柳宗悦の収集品や若き濱田庄司、河井寛次郎、黒田辰秋らの作品で飾られた室内を見ることができます。
・・・・・・と、言いつつ「マグ・フェチ」のわたくしの今回の収穫はこれでした(^^)。
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