Jun 09, 2006
プラド美術館展
七日の午後の上野公園は深緑の季節に入り、噴水ものびやかに天へ向っていました。その風景のなかをゆっくりと歩いて東京都美術館の「プラド美術館展」を観てきました。スペイン絵画の黄金時代といわれた一五七〇年頃から、近代絵画の序章となる一八一〇年頃までの絵画八十一点の展示でした。「エル・グレコ」から「ゴヤ」まどと言えばいいのかな?
宮廷と教会の絵画を中心として黄金時代は築かれて、次第に人々の暮らしや風景などに拡がっていったという道のりといえるのでしょうか?同行者に「何故、スペイン絵画を観たかったの?」と尋ねられましたが、ほとんどお答えはありませぬ。わたくしは単純に宗教画に描かれる天使や幼いイエスやヨハネを観ることが好きなのです。国や描かれた時代、画家の宗教解釈などのさまざまな要素がそこに込められているように思うのです。「聖母マリア」や「十字架を背負うキリスト」「ノアの方舟」などにもそれは言えることかもしれません。今回の展覧会では「ムリーリョ・バルトロメ・エステバン」の描いた「貝殻の子供たち」が好きです。(上の画像です。)制作年は一六七〇年から一六七五年。貝殻で掬った水を幼いイエスがヨハネに飲ませているところ。そばには羊や天使たち。。。
また「ボデゴン」と言われる静物画の精密さには驚かされました。こんな絵の植物百科辞典などがあれば、などと贅沢な夢のような想像をするのは楽しい。
余談ですが、絵画展などでおもしろいのは観ている人々の会話や反応にもあります。毎日通って話題性の高い作品の前に半日くらいいて、それらをテープ(カメラはダメでも、テープなら隠して持ち込めるでせう。)にとったら楽しいエッセーが書けるのではないかと、つまんないことを考えているのでありました。こういうつまんないことを面白がるには当然一人ではつまんない。もっと知的で大馬鹿の同行者が必要です(^^)。「キリストのハンサム度数」なんちゃって。ごめんなさい。。。
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