Oct 15, 2007
エディット・ピアフ 愛の賛歌
監督 脚本 脚色 オリヴィエ・ダアン
主演 マリオン・コティヤール
大分以前のことですが、古い「エディット・ピアフ」の映画を観た記憶があります。内容も配役もほとんど忘れているのですが、たったワン・シーンだけ鮮烈に覚えています。それはまだ無名の「エディット・ピアフ」が、幼い子供をベンチに置いてから、夜の公園のような場所でたった一人で歌いだすシーンでした。新たに制作されたこの映画を観たあとで、この鮮明な記憶が彼女の生い立ちと生涯を象徴するようなシーンであったのではないかと気付きました。
「エディット・ピアフ」の母親も同じように、歌うことに憑かれた女性で、幼いピアフの世話をしないために父親の実家である娼館に預けられる。そこでは祖母と娼婦たちに愛され、束の間の幸福な時間であったのかもしれない。(そうしてピアフはどうやら生き延びて大人になるのですが、ピアフの少女時代と同じようだった彼女の娘はピアフが路上で歌っている間に病死しています。)
ピアフはその後、また大道芸人の父親に連れ出されます。小さな彼女を愛していた娼婦は泣きながら引き止めますが、とても切ないシーンでした。売れない芸人の父親について歩くなかで、小さな彼女は自分の歌声が父親の大道芸よりも「お金」をいただけることに気付くのでした。ここから「エディット・ピアフ」としての人生はすでに始まっていましたね。
主役を演じた女優「マリオン・コティヤール」は十代後半から、晩年の四七歳までを演じるのですが、その演技力は見事でした。物語は時間の急速な移動と展開の繰り返し、そして「麻薬」「お酒」「恋人の死」などなど、心やすまる間のないシナリオ展開で、ほっとする間がなく、とても疲れました。四七年の人生はたしかに短い。いつも孤独と貧しさとの背中合わせの人生にはおだやかな時間は稀なことだったではありましょうが。。。
晩年の背中のまるくなった「エディット・ピアフ」は海辺でこう語りました。
「愛しなさい。」「愛しなさい。」「愛しなさい。」と。。。
【おまけ】
この映画のなかの「エディット・ピアフ」に、ちょっとわたくしが似ていると言った友人がいます。映画を観たわけではなくオフィシャル・サイトを見ただけのようですが、晩年の「エディット・ピアフ」に似ているのかな???まぁ。どっちでもいいけど、上の写真をアップしておきます(^^)。それにしても久しぶりに映画を観ました。上野で「ムンク」を観る予定だったのですが、普段なら月曜日休館ですが、祝日月曜日の翌日の火曜日は休館だったのでした。つまり「ムンク」にフラレての、怪我の功名というところ。。。
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