Dec 13, 2006
クリムト
監督=ラウル・ルイス・二〇〇五年・制作
十二月十一日午後。上野の森美術館にて「ダリ回顧展・生誕百年」を観てから、渋谷Bunkamura・ル・シネマでこの映画を観ました。ダリ(一九〇四年~一九八九年)とクリムト(一八六二年~一九一八年)の時代背景を、大雑把に区分をするならば、第一次大戦と第二次大戦 ということになるでしょうか?コーヒータイムと上野から渋谷への移動中の時間のなかで、わたくしたちは数十年の時間と場所の移動をするのだと、自覚(^^)する。・・・・・・というのはわたしだけ。同行者の桐田さんの心の推移は今だ計り難いのです。。。
一九一八年、第一次世界大戦のさなか、ウィーンの画家グスタフ・クリムトの最期のシーンから映画は始まりました。たった一人だけお見舞いに来た若い友人エゴン・シーレの存在にも気づかず、彼は夢のなかで今までの日々を彷徨っている。それが映画のストーリーとなるので、わたくしも時折迷宮を歩くこととなったのでした。これは伝記映画とは言い難く、現実と虚構との混在する世界でした。
一九世紀末、クリムトの描く作品は保守的なウィーンでの酷評、パリにおける絶賛とのはざまで翻弄されているようでした。その上クリムトはモデルとなった美女とは必ず恋に落ちるので、生まれた子供達は数十人とも言われている「女たらし」。その悪癖があのような美しく、幻想的な女性画を生み出したのだとすれば、なにをかいわんや。。。ここで、エゴン・シーレ(一八九〇年~一九一八年)のお言葉でしめていただくしかありません。
『現代芸術というものなんてありはしない。あるのは永久に続く芸術だけだ。』
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