おそい秋
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おそい秋



ひとしきり雨の日が続いて
塩がなめくじのようになった
それでも扇風機の羽根に
雲の冷えたやつを切り売りしてもらって

寝そべるにしくない日曜
首を振るように
チャイムが鳴り
右隣から梨を五個
チャイムが鳴り
左隣からぶどうを三房

雨が上がり
ようやく雨も上がると
夜も落ちつきはらって
空咳ひとつ
首を一回転させると
おそい秋

居間の片すみで
つとめ終えた扇風機が
羽根をやすめ
背を丸めて
一句ひねっている


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