ひとしきり雨の日が続いて 塩がなめくじのようになった それでも扇風機の羽根に 雲の冷えたやつを切り売りしてもらって 寝そべるにしくない日曜 首を振るように チャイムが鳴り 右隣から梨を五個 チャイムが鳴り 左隣からぶどうを三房 雨が上がり ようやく雨も上がると 夜も落ちつきはらって 空咳ひとつ 首を一回転させると おそい秋 居間の片すみで つとめ終えた扇風機が 羽根をやすめ 背を丸めて 一句ひねっている