こころをひらいて
見ればズンとくる
コーン・コレクションの
マティスの絵のまえで
たちどまり
われにかえると
知らされる
なにかわからない
ねばねばした金属臭のもので
こころの扉がふさがれていたことを
そのとき
こころがずっと待っていたものを
土の中の肺魚に訪れる雨期のように
からだは知ることになる
目はひらいて見ていない
ことばを並べてもとどかない
不定形のこころにたどりつくひとすじの道
キャンバスを
赤、黄、緑・・・・そして
追いつけないなまえの色たちがおどる
手に手をかさね輪になって
目をとじて見なさい
舌を結んで語りなさい
そのための
不自律的に
ひらいたりとじたりする
きみのものでない
こころをまず
そだてなさい
|