乗換え駅

乗換え駅

清水鱗造

 破れ傘がばさばさと空中に踊り、ナンバリング機械の数字のランダムな移動に注射器が粉々に散り、サイの群れの移動の地響きが地平線に向かうときの細かく揺れる左右の木々が、細い多数の骨に形作られる。
 これが魚の骨の始まりだ。小骨の束が開いたり閉じたりしながら行列し始めるのが、黄色い砂漠だ。そこに角のある昆虫の群れも加わる。小さい旗が混ざった行進の、ほとばしりはもう止められないと思うと同時に、歯車があふれだす。歯車の集合の筋が砂漠の表面に魚の肋骨となって強い風に逆らう。そして、魚の骨が乗換え駅のプラットホームからたくさん飛び立つ。