ARCH 個人誌・同人誌情報 ARCH

<file No.5>

●発行者のアドレス情報は管理人までメールでお問い合わせください。


ARCH同人誌『AUBE』

ARCH同人誌『Lyric Jungle』

ARCH同人誌『Contralto』

ARCH小出版社主宰誌『現代詩図鑑』

ARCH個人誌『the Memories』

ARCH同人誌『Down Beat』

ARCH同人誌『輪』

ARCH同人誌『左庭(さてい)』

ARCH同人誌『螺蔓(らまん)』

ARCH同人誌『たまたま』



return
ARCH


ARCH 誌名「AUBE」(同人誌)

発行者(問い合わせ先) 鈴木ユリイカ

創刊年月日 1993年6月20日
発行間隔 季刊
最新号の発行日 2005年4月20日(46号)
最新号の執筆者 房内はるみ 大石ともみ
吉本洋子 小臣富子 中島登 志村喜代子
滝和子 月村香 佐野光子 寒川靖子
松越文雄 原田悠り 原利代子
伊藤孝(表紙絵) 鈴木ユリイカ
最新号の内容 詩14篇 童話1篇
面白詩(エッセイ) その他

詩誌の形態 A5版50ページ
配布形態 郵送
ぽえむばろうる、クレヨンハウス3Fで販売
定価(送料も) 680円
発行部数 …

バックナンバー 在庫あります
次号予告 …

***

発行者コメント
 この間、7月13日にAUBEの会員以外の詩
人の方々をお呼びして朗読会を開きました。
水野るり子さん、岡島弘子さん、山本楡美子
さん、村野美優さん、鈴木どるかすさんもい
らして楽しい朗読会になりました。一つのグ
ループができるとどうしてもそのひとたちと
仲良くなるのにいそがしく、外の詩人達との
交流がなくなるのは淋しいことです。同人誌
のひとたちばかりではなく、もっとオープン
な詩を読む会にしたいと考えていますので、
皆様どうぞ、気軽にご参加ください。
 (鈴木ユリイカ)

(情報記載・2005年7月)

「編む人」

         房内はるみ

暗い家々のあいだから
鑞のように溶けだした道が 松林のなかへ流れていく
林のまん中には 青く浮かびあがる月の広場があって
編む人がいる

きょうも後姿
丸くなった背は すこし母に似ている

天上には
悲しみや喜びや苦しみを巻き込んだ糸玉があって
風が吹くと糸の端が 星の光のようにおりてくるのだ
編む人は それらを巧みに手繰りよせて
二つの棒針で 編んでいく

ウラ オモテ ウラ オモテ
編んでいる時は 何も考えなくていられるからいいわ
父のいない長い夕暮れのなかで 母はそっとつぶやく

編む人は 編むごとに
思い出を透かして静められていくのだろう
 ひろい空 深い碧 ざわざわざわ 風の部屋 瑠璃色の庭
 サフラン色の道 カーテンの内がわの灯り シュンシュン
 と春の朝の沸騰するやかんの音 やわらかな会話 海の匂
 いのする雨 ねむい午後 それから、それから 誰かを待
 っている冬の日の夕暮れ 光の中をさ迷う糸

悲しみの糸と 喜びの糸と
とりもどせない時間の糸と 未来の糸とを
編む人の まっ白い時の野で編みあげたら
どんなアラン模様ができるのかしら

ウラ オモテ ウラ オモテ
歌うようにつぶやきながら 長い時間が過ぎていく
やがて 上弦の月が西へ沈むと
編む人は 透きとおるようにして消えていく
闇に残されたセーターは 沈丁花の香り


 (「AUBE」46号所収)


return
ARCH


ARCH 誌名「Lyric Jungle」(同人誌)

発行者(問い合わせ先) 平居謙・山村由紀

創刊年月日 2001年12月15日
発行間隔季刊
最新号の発行日 2007年12月25日(通算12号)
最新号の執筆者 南原魚人 宮井京子
矢板進 山村由紀 やまもとあつこ 岩佐純子
浜田裕子 平居謙 細見和之 マルコム・シャバスキー
湊圭史 河上政也 木澤豊 木谷登志子
杉本つばさ 竹内敏喜 谷口-izzy-慎次
足立和夫 網野杏子 荒木時彦 犬飼愛生

最新号の内容
 特集・「宮澤賢治 と 村山槐多」
詩 エッセイ 投稿コーナー

詩誌の形態 A5判 120ページ
配布形態
 直接申し込みの他、
紀伊國屋、ジュンク堂などの書店で入手可能。
定価(送料も) 800円+税(送料は1冊200円)
年間(4冊)は3200円(送料込)
発行部数...

バックナンバー あり(1号は在庫僅少)
次号予告
...。

***

発行者コメント
 近・現代詩の特集や投稿作品の掲載、
また同人の作品をアピールすることで、
読者に詩の世界を知ってもらえればい
いなと思っています。
  HP「Lyric Jungle」
「パラギギ」

(情報記載・2007年12月)

幸せ
    平居謙

じっとそれが降りてくるのを待ちました
でもそれは二度とは
僕の前に現れることはなかった香恵 幸せ
に、
なったからね
「幸せになったからね」

それのおかげでここまで生きてきたのだから
あんまりこんなふうに考えると
間違っているけれども

「幸せになったからね」

甘い風が吹いていたり
そうでなかったり
激しい雨になったり
大地が干からびてひび割れがどこまで続いていたり
地雷原が
見知らぬ町に埋め込まれていたり

「僕の前には道はない」なんて
よくも呑気に言ったものだ
ぎらぎらと輝き尽くす
冬の太陽

僕の
僕の定められた道が
えいえんんそのもののように
目の前に遠く流れている


  (「Lyric Jungle」12号所収)


ARCH 「別冊Lyric Jungle anthology2008」

発行 草原詩社(発売 星雲社)
発行日 2008年12月25日
執筆者 関根悠介 千阪澪ん
南原魚人 藤井五月 宮坂新 つのがい
小島基成 ちんすこうりな
細見和之 山村由紀  マルコム・シャバスキー
足立和夫 矢板進 宮井京子 谷口-izzy-慎次
河上政也 網野杏子
和合亮一 福田純子 金井雄二 かわじまさよ
伊藤芳博 西元直子 福島敦子 山岡遊
冨岡郁子 ヤリタミサコ
岩村美保子 龍み麟太郎 水本育宏 やなせしよ
二階堂空 水上寿恵 岡村知昭 奥田進
大村浩一
湊圭史 荒木時彦 浜田裕子 木谷登志子
サトムネコーマ 竹内敏喜 平居謙

定価 2000円+税

(情報記載・2008年12月)



return
ARCH


ARCH 誌名「Contralto」(同人誌)

発行者(問い合わせ先)坂東里美(代表)

創刊年月日 2002年12月1日
発行間隔年4回
最新号の発行日 2017年4月15日(第37号)

最新号の執筆者
関はるみ 坂東里美

最新号の内容
 詩・評論

詩誌の形態 定型封筒にちょうど入る大きさ。
配布形態
 郵送・手渡し
定価(送料も) 80円(+送料80円)
発行部数200部

バックナンバー あり
次号予告
...

***

発行者コメント
 Contralto(こんとらると)は、イ
タリア語で女性の低音域、またはその
歌手のことです。存在感のある作品を
書いていけたらいいなと思っています。

(情報記載・2017年4月)

ペンを

        関はるみ

言い訳のうまいこと
とやこうやと考えあぐねる日々を重ね
見え透いてことば
お構い無しに
独りよがりが口を利く
ことばは重宝

ナマケモノは
終日木の枝にぶら下がり
下りる所は滅多にお目にかかれない
せめて走ってみたい 跳んでみたい
夢の中で広がる

なまけ者は
ばかばかしく途方もなく
思いをめぐらし
スイカは種を出すか 食べるか
トウモロコシは縦に食べるか
横かじりか
止めどなく続く

風が木の葉を散らす日
書かないのは怠惰
おろかな盲信

自分以上にも
以下にも出来ず
言い訳する前に
ペンを


(「Contralto」37号所収)


return
ARCH


ARCH 誌名「現代詩図鑑」(小出版社主宰誌)

発行者(問い合わせ先) 豊倉潔、(編集担当)真神博
ダニエル社 〒146-0082 大田区池上1-28-5

創刊年月日 2003年1月1日
発行間隔月刊
最新号の発行日 2013年2月12日
第11巻・第1号

最新号の執筆者 海埜今日子 山之内まつ子
岡島弘子 榎本櫻湖 倉田良成
渡邊那智子 吉田ゆき子 高木護
佐藤すぎ子 若狭麻都佳 石川悟朗
原利代子 北野丘 高橋渉二
絹川早苗 竹本祥子 枝川里恵
松越文雄 渡辺恵美子 眞神博
桜井さざえ 佐藤真理子 神原芳之
坂多瑩子 北川朱美 阿賀猥
新延拳 
来原貴美(表紙画『人形の絵』)

最新号の内容
 表紙はカラーで来原貴美氏の美しい挿画
詩集評1 詩作品36篇

詩誌の形態 A5版、本文110ページ
配布形態
 書店で取り寄せることも可能です
 発行所に直接注文するか、年間購読をおすすめします
定価(送料も) 600円(送料込み)
発行部数400部

バックナンバー お問い合わせ下さい。
次号予告
...

***

発行者コメント
 これは新しい試みの新しい形態の詩誌です。
詩誌は図鑑という考えのもとに、多くの詩人の、
寄稿を待っています。そして毎号国会図書館へ
納本されます。

(情報記載・2013年3月)

秋の広場
          北野丘

おはよう
壊れた カタツムリの殻の水浴び
おはよう
レールに光る ヤモリの夢の轢死

裸の背をかけのぼり
あおむけに影はたおれて

てのひらの乳房が
寒気に立つ方角へと
魚たちがまつげを叩いていく

何をなして
ここまで来たのか
人でなしの言葉でうろついて
秋がきても冬がきても帰らなかった

木の葉の虫食いたちが
ざわめいている
等しくひかりを受けるがいい

広場の隅にオスカー・ワイルドの
ぼろぼろの「幸福な王子」が
詩の彫像のように立っているのがみえる
つばめがくわえて飛び立った
青いサファイアの瞳が
地上を誰のものでもないまなざしにする

おはよう
うぶ声をあげる たて髪の幽霊
おはよう
くだけ散る 遺失物の散歩道


  (「現代詩図鑑」第11巻・第1号所収)


return
ARCH


ARCH 誌名「the Memories」(個人誌)

発行者(問い合わせ先) 北爪満喜

創刊年月日 2003年5月10日
発行間隔隔月刊
最新号の発行日 2004年1月27日(4号)

最新号の執筆者 北爪満喜

最新号の内容
プリント印刷のデジタルカラー写真二葉と詩二編。

詩誌の形態 A4の二つ折り。二枚入り。
配布形態
郵送します。頒価は送料込み300円。
50円切手を6枚、送ってくださってもokです。
定価(送料も) 300円(送料込み)
発行部数だいたい100部

バックナンバー 創刊号
次号予告
...

***

発行者コメント
詩だけでも読んでいただけること。
カラー写真でお届けすること。
その両方が生かせるには? と考え
カードの形にしました。
すきなときに手にとって欲しいです。

(情報記載・2004年1月)

水面がパレットのように風景をかき混ぜる。水しぶきをたてながら
オレンジ、黄色、赤、青、白、ピンク、紫。熱帯魚がくるくるかき回されて
織り上げられた模様のような夏のプールは覗かれないように目隠しの塀に囲まれてい
る。妨げなく泳ぎ回れるように。

プールではpoolと書かれたカードにスタンプを押してもらって、
走りだす手足をじっとみすえる監視員をすり抜ける。
丸い唇をすぼめながら冷たい消毒漕に漬かる。震えながら漬かっていると、
腰から下が衝動的につるりと魚の尾になってゆく。
だからプールはとりどりの色の人魚たちでいっぱいになる。ターンをしながら
泳ぎ回る人魚の尾の上げる飛沫で、あたりが水の匂いに沈む。
ワタシはプールへ滑りこむ。ぶくぶくと泡を発てながら誰もがそうするように
ワタシも、のどにつかえていたアノコトを呼気とともに水中へはく。
プールのなかでアノコトは水彩絵の具のようにゆらゆら掻き回されて、煙になって、
水のあいだへ溶けてゆく。見えなくなったアノコトは、水のなかに潜んでいて、
別の誰かに掻き上げられると、少しどこかが欠けながら
アノコとか、アトとか模様が歪んで色彩もすこし変わるのだろう。
たくさんの尾にかき回されて、水のなかで織られてゆく。
これを水布(みずぬの)というのだろうか。

     北爪満喜「プール」より
(「the Memories」4号所収)


return
ARCH


ARCH 誌名「Down Beat」(同人誌)

発行者(問い合わせ先) 柴田千晶

創刊年月日 2012年10月31日
発行間隔..
最新号の発行日 2015年10月31日(7号)

最新号の執筆者 廿楽順治 徳広康代
中島悦子 今鹿仙 小川三郎
柴田千晶 金井雄二 

最新号の内容
詩10編。近況報告。

詩誌の形態 B5版。
配布形態
...
定価(送料も) 500円
発行部数...

バックナンバー ...
次号予告
...

***

発行者コメント
...

(情報記載・2015年11月)

ちいさな網のうえで
小魚が折り重なって
焼かれていた。

私とあなたは
向かい合い
それを見下ろしながら
静かな会話を続けていた。

やがて焦げる匂いがすると
小魚のひとつに
あなたは手を伸ばし
あちちといいつつ目を細め
口に放り込んだ。

一瞬
あなたの顔は
意地わるそうな猫になった。
私がそれを言って笑うと
まったく鳴き声まで猫になって
やみくもに
私の悪口を並べたてるのだった。


    小川三郎「秋夜」より(部分)
(「Down Beat」7号所収)


TOP

ARCH


ARCH 誌名「輪」(同人誌)

発行者 山本沙稚子(事務局)
問い合わせ担当者 TISATO(一瀉千里)

Tel & Fax : 084-951-1300

創刊年月日 1994年
発行間隔年に一回の発行
最新号の発行日 2007年3月1日(通算14号)

最新号の執筆者 滝さだえ 山本沙稚子
星野歌子 野津彼方 熊谷本郷 貴志名草
河村静江 猪原淑子 大山真善美 大原勝人
一瀉千里 清水恵子 前原江美子(表紙)

最新号の内容
それぞれが自分の色を大切に
楽しんで創っています。

詩誌の形態 A5版47頁。
配布形態
非売品(担当者にメールかFaxでお尋ねください)。
定価 非売品
発行部数100部

バックナンバー 10号のみあり。
次号予告
...

***

発行者コメント
小さな点がつながって「輪」になればいい、
ということで「輪」と命名されています。
毎月一回の勉強会は、いろんな詩人についての
作品を鑑賞しながら学んでいます。
同人はいつも募っています。

(情報記載・2007年4月)

フリーウォーク
      一瀉千里

プログラムなんか いらない
ヒョコヒョコ
みずからを変形させて
バランスよく
複雑に歩いてゆく

辿り着いたところで
フーッと 息をついて
しゃわしゃわ食べて
それから 金の湯に入って
いろんなものを
そぎおとす

寝ころんで
天井を見上げて
つぎに よしもとを見て
大声で笑って
つかれて
眠ったら
目が醒めるまでは 起きない

心が 出発点に戻ってみる
のも たまにはいいことで
時空間を 行ったり来たりする
人生の 薔薇色地点を
探す
きょろきょろ
しながら 少しずつ
それでも前へ進んでいく

最後に
いい人生だった
と 言えるように
マイ フリーウォーク


(「輪」14号所収)


TOP

ARCH


ARCH 誌名「左庭(さてい)」(同人誌)

発行者(問い合わせ先) 山口賀代子

創刊年月日 2004年1月25日
発行間隔年3回
最新号の発行日 2017年7月15日(37号)

最新号の執筆者
伊藤悠子 江里昭彦
岬多可子 山口賀代子

  最新号の内容
詩、エッセイ、短文

詩誌の形態 A5版32頁。
配布形態
郵送。
定価 500円(送料別途)
発行部数370部

バックナンバー
 各号在庫あります。
次号予告
...

***

発行者コメント

詩の他に、江里昭彦のエッセイ「悲恋を
語る(騙る)(後編)」...ドラマを通じて
見た戦時下の男女の悲恋の陰に隠された
真実を探る。

(情報記載・2017年7月)

風を聴く
          山口賀代子

雪がふりはじめました
しろいものと翳がうごいていきます
雪がひかりをさえぎり
翳りとなり眼をおおうのです
背後の色はとおのいて
山はぼんやりとうすく
うしろへうしろへと遠ざかってゆきます

山のなかにわすれてきたものがあるのです
尻に敷いた紅いろのハンカチ
アルミニュウムの銀色の弁当箱
梅干し
塩昆布
食べちらかした沢庵の黄色

あれはまだブナの根本にのこっているのでしょうか

空の弁当箱が空をとんでいきます
ときどき青がのぞいて
眩しいのです
葉が狂おしいほど揺れても
あれはわたしのせいではありません
ときどき古家をすきま風がすぎてゆきますが
あれもわたしのせいではありません

炬燵のなかで
聴いているのです


(「左庭(さてい)」37号所収)


TOP
ARCH


ARCH 誌名「螺蔓(らまん)」(同人誌)

発行者 山口賀代子
問い合わせ担当者 山口賀代子

創刊年月日 1994年9月1日
発行間隔年3回
最新号の発行日 2002年7月1日(20号、終刊号)

最新号の執筆者 江里昭彦、阪本若葉子
時野慶子、堀江沙オリ、岬多可子
山口賀代子、山田英子

最新号の内容
詩と俳句
特集「なぜ現代詩は読まれないのか?」

詩誌の形態 A5版32頁。
配布形態
郵送。
定価 600円(送料140円)
発行部数240部

バックナンバー 僅少
次号予告
...

***

発行者コメント
特集「なぜ現代詩は読まれないのか?」
で、各人それぞれの方法で詩人以外の
人からアンケートを試みましたが、学
生時代の詩歌への関心を、社会人以後
も持続させることの難しさや、詩を書
く人と読者との距離などを感じました。

(情報記載・2004年2月)

(深)
      岬多可子

秋・冬・春と放っておかれた小学校のプール。
その底がどこにつながっているか、つまり
わたしがどういうひとなのか、
深いところの汚泥を浚いに、
どんどんと手を突っ込んでいく。
ひとが
ひとを
どのくらい愛せるのか、
どのくらい妬み・怨み・憎むのか、
なにも尺度はなく、
底なしの感情が渦巻いているあたり、
ただ温度が高くなっている。
晩年、澄んでくるものか、濁ってくるものか、
夜のプールを踊り場から見下ろしている。
藤の花のあたり
すこし明るい。


連作「桜病院周辺、春」より
(「螺蔓(らまん)」20号所収)


TOP
ARCH


ARCH 誌名「たまたま」(同人誌)

発行者 小網恵子
問い合わせ担当者 小網恵子

創刊年月日 1996年5月1日
発行間隔年2回
最新号の発行日 2017年5月21日(通算30号)

最新号の執筆者 吉田昇一 佐藤清子
富山直子 吉元裕 中村博司
くりはらすなを 丸山緑子 中島敦子
小網恵子 松原みえ 坪井睦子
李美子

   表紙-吉元裕

最新号の内容
詩 エッセイ 詩集評

詩誌の形態 A5版57頁。
配布形態
郵送。
定価 300円(送料は110円)
発行部数300部

バックナンバー あり
次号予告
...

***

発行者コメント
創刊から8年かかってやっと10号にたどりつき
ました。
月1回の例会で詩のテキストを読みあう地味な会
ですが、世代や考え方を越えて詩の楽しさを味わ
っています。同人募集中。

(情報記載・2017年5月)

砂浜

       小網恵子

幼子は小さなシャベルで砂を掘り
きれいな貝を探している
少しゆがんだ松毬を見つけて歓声をあげる
つまみ上げてバケツに入れる

砂浜に海鳥が上がってくる
カオゥカオゥと空気を切って
鳴き交わす

波打ち際を歩いていた一羽が羽擊く
さらに数羽が 続けて十数羽が
こちらの方へいっせいに飛んでくる

翼を広げ
幼子をその黒い影の檻に閉じ込めて
ゆっくりと旋回する

真上を飛ぶものに気づかずに
深くへと掘り進めている幼子
あわててその子の手を引く

海鳥の意志が
なおも旋回している


(「たまたま」30号所収)


TOP
ARCH