現下における保険業界の重大な問題
−社会のために−
今月の終わりに当たり、補足しておくべき事柄に気がついたので、あえて書いておきます。この口調で解るとおり、このページを見ている、特に保険会社の若い営業部のみなさんに申し上げたく思います。 私もそろそろ17年間保険代理業をしてきて思い知らされています。この仕事は非常にやりがいもあるし、営業が拡販であることよりも、また社会福祉・保障については侵さざるべき領域にあることは、みなさんも各社の研修において承知しておられることです。 一方で営業のもうひとつの柱である−保険が募集する契約で成立する「大数の原理」により成り立つ−拡販の部分が、今日過剰な飽和状態にあり、実際には、私たち代理店・営業社員の双方に深刻な影響を及ぼし、組織と販売システムの構築によって取って代わっている事実に、気がつかなくてはいけません。直截に言えば、「小規模代理店の整理」と「営業社員の削減」なのです。これが、どれほどか重圧的な状況であるか、この業界の中にいない人でも容易に解るでしょう。 さらに解り易く、最大の問題は、私たちの扱う商品の価値である社会福祉・保障と拡販自体が、私が「保険改悪」という上記のムーブメントによって阻害されている事実です。 この状況で代理店・営業社員が、心理的にも拡販に勤められるでしょうか?社会保障と公正さに気を配るための時間的・能力的・財政的な余地は、もうほとんどありません。尽きてきました。これは一種の「病理」であり、そのために補償の基礎になる収入保険料が減っているとはいえないでしょうか。下記の若年者の自動車保険未加入の問題もあります。(さらに社会で起きていることは、車検の未検査−国土交通省の政策にも問題がある。−、そして自賠責の未加入でさえあるのです。) まだ業界と社会のどちらも、意識に上っていない大問題です。よく考えてください。このままで省略化の方向に行くことによって、上述来の問題は解決可能なのでしょうか?私はいつもここで躓きます。 そして保険会社関係者以外のひとには、この一業界の問題は、明らかに自分たちご自身の重大な問題であることに、ぜひ気がついていただきたいのです。この無規制・無法な「保険改悪」の構図が、みなさんにいつ刃(ヤイバ)を向けるか、判らない現下の状況なのです。
現下における保険業界の重大な問題(2)
一番具体的な事例では、先行して代理店の省略化・営業のみならず損害調査、保険金支配い部門までリストラしてしまったT海上がいましたが、私人身が解約された代理店に頼まれて親族の契約を引き受けていた有様で、大量の契約が流失しました。また事故処理の不備、未熟さが目立ち、何度何の関係もないひとが相談に見えたことか。通販系よりは多いようです。通販の契約数がそれほどないからでしょう。 被害者になったとき、誰もが十分で公平なサービスと補償が、受けられなくなって来ました。 また生命保険の兼営が進みますが、生命保険は19世紀にドイツの数学者が生存率と人口を基に、死亡までの期間を対数で計算したことに始まります。その後の生物学・医学の発達は、一部の契約者を排除するほか、どれほど考慮されたか知りません。現在では遺伝子によって病気の殆どが決まるとされています。職業・環境も入れれば、生命保険の成立根拠自体が、今日非常に疑わしいのです。 手術後5年生存率を危ぶまれた私に関して言えば、10数年以上元気でついに完全な完治宣言を5年以上前に頂いている。あるいは各自に罹患率も含め、先天的に死ぬとも、生きることも決まってるのかも知れない。生命保険は簡易保険のように公共性を高めることが必要です。 公共の健康保険との大きな違いがここに現れています。アメリカなどでは生命保険会社が政府の規制を受けつつ、健康保険を運用していますが、アメリカで「生命保険に入れない。」と言えば、「健康保険に入れない。」ことを意味します。そのうえ通院する病院・医療の内容・投薬にまで私企業が指図をします。ERで生命保険会社と戦う医師、「俺は上等の保険にはぃっているんだぞー。」と頑張る救急患者が出ていましたが、日本でいえば、ここでいう「保険」とは健康保険のことです。さらに一部では雇用主がこの種の「生命保険」に入るようになっていますが、実際には自由競争で安価な保険に入り、問題を生じているようです。 かつて一時滞在しているアメリカ人が滞在中の海外旅行保険に入りたがり、閉口したことがあります。(現在は禁止。なおこれも上記の変なリストラを大手T海上が始めたことです。大体何かあの会社は変。)詳細に拙い英語で日本の公的?健康保険の説明と役場での手続きの仕方を教えてあげた。なにしろ向こうに該当する言葉と常識がないので、説明するには苦労しましたが、哀れなアメリカ青年の喜びようはなかった。社会補償の後進国とはこのようものなのです。 (健康保険も民営化してしまえという、乱暴なアメリカ主義者が現れています。十分この種の日本人には警戒すべき状態にあることは喚起しておきます。これらの人たちはかく主張することで何らかのアメリカン・ドリームを夢見ているように思えます。) 日米保険交渉の結果が、今日の代理店の自殺者まで出し、事故の被害者を虐待する行為を生じている要因です。 以上の理由以外にも生命保険の問題は多々あります。たとえば現在生きている人の将来の生存率は医学、生活の質の変化などで実は不明なのです。超長期に渡り契約するのだから、保険会社の存続も含め、経済情勢の変化に対して、責任ある発言を求められる「損害」保険代理店がすべきことか、にも疑問を感じます。(一応、私が20代から生命保険に入れなかったことは別にします。笑) 今日はここまでにしておきます。だから私は生命保険は取り扱っていない。このことによって2割は手数料を削られているし、批判もされている。しかし良心的徴兵拒否を貫徹するつもりです。日米保険交渉を指揮したクリントン君は、ベトナム戦争の徴兵を拒否するという立派なアメリカ合衆国の大統領であったのです。お互い自叙伝的な詩集と自叙伝で頑張りましょう。(笑)
まったく私も自分の仕事をかけて、日本国民全部の補償のためにこんなことを主張しているのだが、誰か理解してくれるのだろうか。交通事故にでもあえばわかるでしょう。 人身傷害という自動車保険の特約で自分の保険会社に補償してもらうのがありますが、自賠責基準の補償で、自分の保険会社と交渉するのは同じ、かつ自動車を保有していない人は入れません。これも一種の公的保険の私営化に近い特約であるし、発明したのは上のT海上。(同じ時期、私は被害対策として弁護士費用特約を三井海上に提案した。)ここは自賠責の私営化まで主張した。私がこんなことを書き連ねるようになった原因の記事を掲載した日経新聞が表彰しています。過去には時期を失して「代理店の統廃合について」同種の記事を書いて処分されたマスコミ関係者もいたようです。これが保険の世界で起きていることなのです。 保険会社の人、私は法令順守・事務処理では、会社の検査担当者が見本にさせてもらいたいというような代理店ですよ。よろしく!
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