2019/11 [HOME]

++ 日記 ++

2019/11/20(WED)
また今日もあてもなく机に向かう
机に向かうからにはことばを文字にして
なにかを作ったつもりになろうとして

2分20秒
文字にできるような言葉が現れない
おれの中の像は三日ぐらい何も食べていない
あと2,3日何も食べなかったら
どうなるのだろう
どうなるのだろう
4分13秒
(この数字、不吉だ)

テーマのない人生って浮かんだ
オレだ
未完のままあてもなく
君は?


2019/11/19(TUE)
もっと

机が重そうだ
詩集、詩の雑誌、百人一首の本、文庫本数冊、英語の辞書、
などの紙の類、
キンカン、目薬、のどにシャワー、腕時計、ボールペン、
マーカーなどの文具類、
ペットボトルの水など、など、など
その一つ一つが、ホラ、聞こうとしてごらん
電波のような
音のような息遣いを発している
たまに聞こえる 今日もこうして
もっとと、もっともっとと
本類の中にプリントされた字が腹をすかしている
もっともっと読んでおれを満たしてくれ、
もっともっと書いてきちんと消化させてくれ、
もっと何回もふたを開けてなおさせてくれ、と

わかったよ
そうだよね
君たちには君たちのツトメがあるんだよね
本には本の、薬には薬の
机には机の
そして
自分には自分の
ツトメってものがあるんだろな

2019/11/18(MON)
  向き合う

今まであっただろうか
向き合ったこと
正しく

庭の青いトマトと
さわやかな風と
乾く汗と
傾く太陽と
過ぎていく一日と
きょう言葉を交わしていない君と
あっただろうか
正しく向き合ったことが

いずれ太陽は沈み
月がのぼる
いずれ夜に包まれ
明日が来る
いずれ
明日が来ない
長い闇が来る

こんなことを書きたかった
これが詩
自分のための
他のだれかに見せるためではない
向きあったら出てきた
こんなふうでかまわない
おれと向き合った
おれの詩



2019/11/3(SUN)
  不意に

おれは今、詩が書けないんだ
ことばが降りてこないんだと
君に言ったけど
こうして
きみがしばらくいなくなったら
その留守をねらったように
しずしず
ことばが降りてきた

なんだ どうした
不意に肩口におりてきたことば
広げてみるといささか女々しい
捨てちまおうか
忘れちまおうか
サッと書き留めて
君が帰ってきたあとで
まるめちまおうか

君がいるとき降りてこようとしなかったことばが 
風花のように
しずしず
おりてきているのを
とりとめもなく
ひとり見ている



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日記帳(3) v1.02.00 エース (素材協力:牛飼いとアイコンの部屋)